いろんな台湾 いろんな風景
台湾生活を写真で記録

2013/12/16

映画を見てきた

今朝、私の目が腫れていたのは、きっと昨日この映画を見てきたから。十二夜。日本で言えば保健所なのだろうか、捕獲されたノラや持ち込まれた動物たち(犬)を収容する施設の12日間を記録した、台湾のドキュメンタリー映画。


そこには残酷な現実が映されている。(犬好きの人には、心がえぐられるような残酷な場面が出てくるので、正直すすめられない)。犬たちにとって、あそこは生き地獄以外の何物でもないな、と。何の罪も犯していないのに、捕らえられ、劣悪な環境下におかれ、最後には処分される。犬たちの不安げな、または絶望的な表情。病気や痛みや死といったものが次々に映し出され、そこにモザイクは一切かからない。鑑賞後の心の重さたるや、半端ない。人間は人間に対して、あんな対応は絶対にしないし、することすら許されないはず。本当に理不尽で深く心が痛んだ。

もう10年以上も前、台北の建国花市で、ノラの子犬を貰い受けた。外見が柴犬っぽさのある雑種で、茶色い男の子。高雄に引っ越してきてからも共に暮らしていたが、今のマンションに移り住むにあたり、当時平屋に住んでいたお隣さんに貰ってもらい、彼はそこの番犬になった。

その後数年間は、不定期で会いに行っていたけど、もう長いこと会っていない。生きていればもう12歳。今も元気なのだろうか。

命を預かるということは、その命に対して最後まで責任を持たなくてはならず、彼を手放したことが、その責務を放棄してしまったような罪悪感に繋がり、その後は動物を飼えずにいる。

この映画の最後には、十二夜を過ぎて、恐らくこの映画の製作スタッフの手によって再び命を与えられた犬たちの、新しい飼い主のもとでの生き生きとした姿を見ることができる。今この自由を心から楽しんでいる犬たちの笑顔に、よかったね、という思いで心が満ちる。

愛護団体等で真摯に取り組み、活動されている方のことを思うと、ただただ頭が下がる思いです。

台湾はノラが多い。しかし、穏やかなのが多いように思う。人に牙をむけるようなノラにはあまり出会わない。

公園でノラの背中越しに、草野球を見たりできる台湾は、本当に平和で、彼らが今日も明日も平和にすごすことができるよう祈ってやまない。

オット氏実家に住みついたブサ犬よ。

もともとノラの君。どこから来たともわからず、本当にブサいけど、義母にかわいがってもらえて、よかったね。幸せだな、君は。


今回見てきた「十二夜」は、今年、映画・看見台湾と並んで、台湾の人々の道徳心や良心を啓発する一本になったのは間違いないでしょう。

一緒に見に行ったオット氏、そして娘ちゃんの心にも深く印象に残ることになった一本でした。

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